【日本民間故事】智鬥巨猿的女孩


【日本民間故事】智鬥巨猿的女孩

昔々むかしむかし、伊勢いせの國くにの三重県みえけんにお爺じいさんとお婆ばあさんと娘三人むすめさんにんが住すんでいました。その娘むすめの名なは睦月むつき、如月きさらぎ、彌生やよいと言いい、三人さんにんとも、花はなも恥はじらう美人びじんです。

從前,在伊勢國的三重縣住著一位老爺爺、一位老奶奶和三個女兒。女兒的名字分別為睦月、如月和彌生,她們三個都是閉月羞花的美人。


さて、ここから三里さんり(約やく12キロ)離はなれた山奧やまおくには、山やまの主ぬしと言いわれる大猿だいさるが住すんでいました。大猿だいさるはいつの間まにか、この娘むすめたちが好すきになりました。そして大猿だいさるは山やまから下おりて來くると、お爺じいさんとお婆ばあさんに向むかって、「三人さんにんの娘むすめさんのうち、誰だれでもよいからわしの嫁よめにくだされ、もしも嫌いやなら、その場ばで一家五人いっかごにんを食くい殺ころしてしまうぞ!」と、言いうのです。

而在距此地三里(約12千米)的深山裡,則住著一個傳說是山大王的巨猿。巨猿不知道從什麼時候開始喜歡上了這幾個女孩,於是便下山來找老爺爺和老奶奶,對他們說:“從你們這三個女兒中挑一位嫁給我吧。要不然,我就當場吃了你們一家五口。”


お爺じいさんとお婆ばあさんはガタガタと震ふるえながら、仕方しかたなく、姉あねの睦月むつきを呼よんで言いいました。「睦月むつきよ、お前まえ、あの大猿だいさるのところへ嫁よめに行いってくれないかのう。」すると娘むすめは、ブルブルと震ふるえながら、「どうか許ゆるして下ください。あんな恐おそろしい大猿だいさるの所ところへ嫁よめに行いくのだけは…」

老爺爺和老奶奶嚇得哆哆嗦嗦,無奈把姐姐睦月叫來說:“睦月,你能為我們去嫁給巨猿嗎?”大女兒一聽嚇得顫抖地說:“請你們饒了我吧。別把我嫁給那麼可怕的巨猿”


困こまったお爺じいさんとお婆ばあさんは、次つぎに如月きさらぎを呼よび、「如月きさらぎよ、あの大猿だいさるの所ところへ嫁よめに行いかないか。」「姉上様あねうえさまさえ怖こわくて行いけないのに、私わたしはご免めんいたします。」

苦惱的老爺爺和老奶奶只好喊來如月問:“如月,你能為我們去嫁給巨猿嗎?”“連姐姐都害怕得不能去,我就更加不行了。”如月答道。


お爺じいさんとお婆ばあさんは仕方しかたなく、末娘すえむすめの彌生やよいを呼よんで言いいました。「彌生やよいよ、姉様二人ねえさまふたりは嫌いやだと言いっているのだが、お前まえはどうかな?」と、聞きくと、彌生やよいは言いいました。「どうぞご安心下あんしんください。嫁よめには私わたしが參まいります。」

老爺爺和老奶奶只好把小女兒彌生叫過來問道:“彌生呀,你的兩位姐姐都不願意,你怎樣呢?”“請放心吧,我去嫁給他。”彌生回答道。


お爺じいさんとお婆ばあさんは可哀かわいそうに思おもいながらも、一家五人いっかごにんが食くわれてしまうよりはいいだろうと考かんがえ、入いりロぐちで待まっていた大猿だいさるに、「三番目さんばんめの彌生やよいをお前まえにやることにしたが、いろいろ仕度したくもあるので、五日いつかほど待まってもらいたい。五日いつかたったら迎むかえに來きて下くだされ。」と、言いいました。「よし、では五日いつかたったら來こよう。」大猿だいさるは喜よろこんで帰かえって行いきました。

老爺爺和老奶奶雖然覺得彌生很可憐,但想想至少比一家五口都被巨猿吃掉要好,便對正等在門口的巨猿說:“我們已決定把排行老三的彌生嫁給你。因為要做許多準備,所以拜託你等五天左右,五天過後請你前來迎親吧。”“好吧。那麼五天後我再來”猿說完就歡喜地回去了。


五日目いつかめの朝あさ、三里さんりの山道やまみちをキーキー言いいながら大猿だいさるが來きました。綺麗きれいな花嫁衣裝はなよめいしょうを著きた彌生やよいが出でると、大猿だいさるはその美うつくしさにただ見みとれるだけです。彌生やよいは大猿だいさるに愛想笑あいそわらいをしながら、涙なみだを流ながす二人ふたりの姉あねに小聲こごえで言いいました。「きっと帰かえって來くるから、待まっててね。」

第五天的早晨,巨猿一路“嘰嘰”地又蹦又跳地穿過三里的山路來到老爺爺和老奶奶家。穿著漂亮嫁衣的彌生一出來,巨猿便對她的美貌看得入迷了。彌生一邊對巨猿微笑,一邊小聲地對落淚的兩個姐姐說:“我一定會回來的。等我哦。”說完就離開了家。


彌生やよいは大猿だいさると一緒いっしょに山やまを越こえて、川かわを渡わたり、森もりを抜ぬけましたが、なかなか大猿だいさるの家いえには著つきません。でも夜中よなかになって、やっと大猿だいさるの家いえに著つくと、大猿だいさるはニコニコ顔がおで掃除そうじをしたり、朝あさご飯はんを作つくったりしました。

彌生和巨猿一起翻過一座山,淌過一條河,又穿過了森林。走啊走啊,但還沒到達巨猿的家。到了半夜,終於到達了巨猿家。到家,巨猿就笑嘻嘻地打掃衛生,又忙著做早飯。


やがて朝あさが來きたので、彌生やよいは大猿だいさるの作つくってくれた朝あさご飯はんを食たべながら言いいました。「私わたしは、あなたの所ところへお嫁よめに來きてとっても幸しあわせです。私わたしの喜よろこんでいる姿すがたを家いえの人ひとに見みせたいので、一緒いっしょに行いきませんか?」「ああ、いいよ。可愛かわいいお前まえのためだ。さっそく行いくとしよう。」と、急いそいで支度したくをする大猿だいさるに、彌生やよいが言いいました。「親おやの家いえに行いくのだから、爺じいさまと婆ばあさまの大好物だいこうぶつのお餅もちを、ひと臼搗うすついて持もって行いきたいのです。」「よし、分わかった。可愛かわいいお前まえのためだ。さっそく搗つくとしよう。」大猿だいさるは、ぺ ッタン、ペッタンと、お餅もちを搗ついてくれました。

終於到了早晨,彌生一邊吃著巨猿為她做的早飯一邊說:“我呀,能嫁到你這兒真幸福。我想讓家裡人看看我高興的樣子,你跟我一起回去好嗎?”“啊,好呀。為了這麼可愛的你,那就馬上回去吧。”巨猿滿心歡喜地回答道。彌生又對急忙做準備的巨猿說:“既然回家的話,我想搗一臼父母親最喜歡的年糕拿回去。”“好的。我知道了為了可愛的你,我馬上去搗。”巨猿說著就啪嗒啪嗒”地為彌生搗年糕。


「さあ出來できた。この重箱じゅうばこに入いれていこう。」「爺じいさまと婆ばあさまは、重箱じゅうばこの匂においが嫌きらいなのです。」

“哎呀!做好了。把年糕放在這個套盒裡面吧?”巨猿問。彌生說:“我父母親不太喜歡這個套盒的味道。”


「そうか。では、どんぶりに入いれていこう。」「爺じいさまと婆ばあさまはどんぶりの匂においが大嫌だいきらい。臼うすのまま背負せおって行いきましょう。」そこで大猿だいさるは臼うすを背負せおって、山道やまみちを下くだりはじめました。

“是這樣啊。那麼,就放進大碗裡面去吧?”巨猿又問。彌生說:“我父母非常討厭大碗的味道。你就這樣揹著石白去吧。”於是巨猿就揹著石臼,開始往山下走去。


途中とちゅう、崖がけの上うえのほうに大おおきな美うつくしい桜さくらの木きが、今いまを盛さかりと咲さいています。「あなた。爺じいさまと婆ばあさまは桜さくらの花はなが大好だいすきだから、一枝採ひとえだとて下くださいな。」「ああ、木登きのぼりは任まかせてくれ。」木登きのぼりが得意とくいな大猿だいさるは臼うすを背負せおったまま木登きのぼりを始はじめ、桜さくらの枝えだに手てをかけると、「それでなく、もっと先さきのを折おって下くださいな。」「それなら、この枝えだか?」

途中,懸崖上方有一棵美麗的櫻花樹,正鮮花怒放。“老公。我父母最喜歡樓花了,請你摘一枝吧。”彌生說。“好啊!爬樹的活兒就交給我吧。”巨猿輕快地答應了。他很擅長爬樹,就這樣揹著石白開始往上爬,好不容易夠到樓花的樹枝時,只聽見彌生在樹下喊:“不是那個,請再往前一點兒。”“嗯?是這枝嗎?”巨猿問。


「いやいや、もっと先さきのを折おって下くださいな。」「では、この枝えだではどうじゃ?」

“不!不是。請再往前一點兒。”彌生在喊。“那這枝怎樣呢?巨猿又問。


「いやいや、もっと先さきのを折おって下ください。一番いちばんてっペんの、あの枝えだを折おってくださいな。」「よし、分かった。」大猿だいさるはどんどん上うえに登のぼり、とうとうてっペんの枝えだに手てをかけた時とき、ポキリ!足元あしもとの枝えだが折おれてしまい、大猿だいさるは重おもい臼うすを背負せおったまま谷底深たにそこぶかく真まっ逆様さかさまに落おちてしまい、臼うすの下敷したじきになって死しんでしまいました。

“不!不行。請再往前一點兒。請你摘最前面的那一支花吧。”彌生不滿意地說道。“好吧。我知道了。”巨猿又繼續往上爬,終於夠到了最頂端的那枝花。這時,只聽見“嘎巴!”一聲,腳下踩的樹枝折斷了,巨猿就這樣揹著那沉甸甸的石臼頭朝下跌落到深深的谷底,被石臼壓死了。


彌生やよいは急いそいで、お爺じいさんとお婆ばあさんと二人ふたりの姉ねえさんの待まっている家いえに帰かえりました。皆みんなは手てに手てを取とって大喜おおよろこびで、元もとのように仲なかよく暮くらしたという事ことです。

彌生急忙趕回家,家中的老爺爺、老奶奶和兩位姐姐正期盼著她的歸來。大家高興地拉起手,他們又過上了以往那其樂融融的生活。


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